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グレイグという男について考えてみる【ドラゴンクエスト11S】 [ドラゴンクエストXI]

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Steam版ドラゴンクエスト11Sを購入してしまいました。
PS4、Nintendo Switch、PC版、そして今回のSteam版で4回目のプレイです。

もう、発売されてから相当時間がたったし、少しくらいネタバレしても大丈夫だと思うので、これからいろいろと思いついたことを書こうと思います。

小難しいことを考えると、文体が変わりますが、あまり気にしないでくださいね。
あと、長いです。
ご容赦ください。

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勇者は祖父の残した言葉通りデルカダール王国へ向かうが、勇者の出現は魔王の復活をもたらすと主張するデルカダール王により牢へと入れられてしまう。
カミュの助けを受け脱獄に成功した勇者だが、王の命令を受けたデルカダールの将軍であるグレイグに執拗な追跡を受けることになる。

ここでグレイグとはどのような人物なのか、少し考えてみたい。
まず、グレイグは王の忠実な家臣であり、軍人である。
また、将軍と呼ばれていることから、軍人としての位も高いものと思われる。
このような高位の指揮官が自分の考えで王の命令に背くことは、まず考えられない。
また、これはもう少し後にわかることだが、グレイグは騎士道に精通した人物である。
誇り高い人物であると予想されるが、まずは騎士道とは何か知る必要があると思う。

騎士道とは

中世ヨーロッパにおける騎士の精神的支柱をなした気風・道徳。忠誠・武勇に加えて、神への奉仕・廉恥・名誉、婦人への奉仕などを重んじた。 出典 小学館デジタル大辞泉


西欧中世,騎士の行動規範ないし準則。徐々に発達したし,また理想,むしろ幻想に近い部分もあったから,その内容は流動的でとらえがたい。騎士は本来的に戦闘員であったから,騎士道の根幹が戦闘に不可欠の資質やルールの強調にあったのは当然で,武勇や信義がまず出現する。武勲詩に登場する騎士たちを形容する〈豪胆不敵〉〈言葉をたがえぬ〉等々の言葉は,初期の理想がどこにあったかを示している。勇猛,むしろ凶暴は騎士の本質であった。 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版


辞典を紐解くと騎士道とは以上のように解説されている。
中世における騎士たるものの行動規範であり、道徳である。

では、DQ11では騎士道はどのように解釈されているのであろうか。
サマディー王国で出会うシルビアの言葉では以下のように述べられる。

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DQ11における「騎士道 三の誓い」

信念を決して曲げず 国に忠節を尽くす 弱きを助け 強きをくじく どんな逆境にあっても 正々堂々と立ち向かう


これが、ロトゼタシアにおける騎士道精神だ。
物語が後半へ差し掛かると、新しいスキルとして騎士道と博愛というものが追加される。
シルビアとグレイグがそれぞれ取得するのだが、ここを考えると少し面白い。

まずは、博愛とは何かを考えていく。

博愛とは精選版 日本国語大辞典によると、ひろく愛すること。すべての人を等しく愛すること。
とされている。
また、日本における博愛は教育勅語にも登場する。

教育勅語は様々な解釈があり、未だに論議されている内容なのでここでは取り上げないが、公式とされる文部省訳を紐解くと以下のように書かれている。

「博愛衆ニ及ホシ」つまり「人々に対して慈愛を及すようにし」とある。

博愛とは慈愛を人々に対し及ぼすこととされている。
慈愛とは、親が子供をいつくしみ、かわいがるような、深い愛情のことである。
簡単に言い換えてしまえば、人間愛といってもいいかもしれない。

騎士道が国や信義への忠誠を貴ぶのに対し、博愛は国を分けず人間全体を愛し、慈しむものと考えられることから、シルビアとグレイグの性格の違いが読み取れる。

グレイグの信念は、王への忠節。
国に忠節を尽くすことは王の命令を違えず実行すること。
弱気を助け強きをくじく。
これは王の言う世界にあだなすもの、つまり勇者の征伐に他ならない。
それが弱き民を守る道と信じて疑わっていないのだろう。
どんな逆境にあっても正々堂々立ち向かう。
これは彼の作戦に表れる。グレイグは小賢しい策を用いることはしない。徹底した情報の収集と恐るべき行動力で勇者の前に何度も現れる。
この点からも、彼がいかに有能で誇り高き武人であり、軍人であるかがよくわかる。

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まとめると、グレイグという人間は騎士道を学んだ優秀な軍人であるということだ。
自分の考えがあったとしても、勝手な行動は許されない。軍人だからだ。
それぞれが勝手な考えによって動いてしまっては軍隊が機能しない。
高級将官であるグレイグに考える余地などないのだ。
最高司令官はデルカダール王であるので、王の命令には絶対服従である。
おそらく、デルカダール王の信頼も厚いであろう。
三國志で例えるなら関羽か夏侯惇か、そこら辺の優秀な武将が当てはまるかもしれない。
しかし、グレイグは博愛の精神も持ち合わせている。
非道な命令をよしとしない面もあるかもしれない。
勇者の村を焼き討ちに出たホメロスのすぐ後を追い、村人の命を助けるように懇願したのはグレイグである。
そこにグレイグの博愛精神が見て取れるのではないだろうか。

騎士道と博愛の精神を併せ持つグレイグという人物は、この中世的な世界観を持つロトゼタシアでは、心の中に相当の葛藤を秘めているのではないかと想像されられるのである。


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